エレキベースを知ろう 「プレベ」「 ジャズベ」「スティングレイ」編
こんにちは、Studio Smooveです!
エレキベースをこれからはじめたい方、きっかけはどんな体験でしたか?
無骨な低音に惹かれて、バンドの屋台骨に憧れて、スムースでリッチなトーンにキュンとして、スラップのド派手な演奏を目の当たりにして、好きなバンドの推し…ベースの魅力を挙げればキリがないですが、そんなこれからはじめる未来のベーシストさんに向けて”少しマニアックな基礎知識”をご紹介していきます。
前回に引き続き、今回は代表的な3つのモデルを深掘りしていきましょう。

起源にして頂点 プレベ:プレシジョンベース
・レオ・フェンダーさん(fender社の創業者)が世に送り出した世界初のエレキベース
・中低域にピークのある無骨なサウンドでロック、パンクサウンドと言えば!といった代名詞的存在。
通称”プレベ”。
パンクロックでのアイコンになりがちですが、その実、豊かな中低域を使いこなすことでスムースなソウルからいなたいファンク、ポップスからR&Bまで網羅可能な、起源にして頂点の存在です。
そもそもエレキベースが世に求められた理由としてはコントラバスの取り回しの悪さや音量面の弱さなどが挙げられます。コンサートでアンプやスピーカーが使用されるようになると、音量の弱さは大きな問題ですよね。
またフレットが打たれることによって正確な音程での演奏が行いやすくなったこと、コントラバスと比べネック交換などトラブル時の修繕性が高いことなど、さまざまなメリットを背景にエレキベースは急速に広まっていくこととなります。
ネック寄りに一機のピックアップ、コントロールもボリュームとトーンのみ。
そんな一見不器用とも取れる潔さで’プレベは漢気’と評価されることもありますが、あくまでそれはプレベの一部を切り取ったステレオタイプ的な見方であり、実際は非常に繊細かつ奥の深い楽器です。
ベースはアンサンブルでの混ざり具合が非常に大切な楽器なのですが、このシンプルな機構により音域のレンジがジャズベに比べて狭いため、他の楽器の音をマスキングすることが少なく、存在感のある中低域を提供することができます。
私も長らくジャズベを弾いていましたが、最近は上記の理由によりプレベを持っていくことが非常に増えました。
何より弾き方での振れ幅がとっても大きいので、捉え方によってはシビアな楽器かもしれませんが気持ちよく鳴らせた時の感動は大きいでしょう。
起源にして頂点のプレシジョンベース、最高です!
【プレベの代表的なプレイヤー】
ジェームス・ジェマーソン
ピノ・パラディーノ
スティング
細野晴臣など…
THE・王道 ジャズベ:ジャズベース
・プレシジョンベースの後継機
・スリムなネックに2つのシングルコイルピックアップを搭載
・圧倒的シェア率ナンバーワン
通称”ジャズベ”。
最初期のプレベ(オリジナルプレシジョン)が1951年に開発され、その後1957年に皆が知っている”あのアイコン”のプレベが誕生します。
そしてジャズベの誕生はその3年後、1960年となるわけですがその背景には様々な理由がありました。
プレベが多くの人の手に渡り、そのフィードバックデータも当時のfender社に集まっていました。
特に多く集まっていた2点が
・ネックが太い
・音作りの幅を広げたい
です。
この問題を解決し、当時上位機種として開発、販売されたのが現在でも圧倒的なシェア率を誇るジャズベースなのです。
ネックシェイプに関しては44mm幅から38mm幅と6mmのリシェイプを行いスリムなネックシェイプを実現。
また、ピックアップを2つ搭載する事で音作りの幅も大きく広がる事となります。
やはりブリッジよりのピックアップが追加されたこともあり、高域の成分がしっかりと出力できるのでプレベに比べてレンジは広いです。
フロントのピックアップともミックスすることで、多彩で万能な音作りを可能にしています。
特にスラップ奏法においてはしっかりとした低音とパリッとした高域をアウトプットすることが可能です。
所謂”ドンシャリサウンド”ですね。
またアンサンブルでの位置もプレシジョンに比べて上も下もレンジが広い分、うまくコントロールしてあげることにより密度のある低音で全体をしっかり包み込んであげることができます。
この音色の幅の広さが多くのプレイヤーがジャズベースを好んで使用する大きな理由かもしれませんね!
THE・王道 ジャズベース、最高です!
【代表的なプレイヤー】
ジャコ・パストリアス
マーカス・ミラー
ジョン・ポール・ジョーンズ
ウィル・リーなど…


個性的なサウンド スティングレイ:ミュージックマン
・世界初の’アクティブベース’
・非常にパワフルなハムバッカーピックアップを搭載
・圧倒的な出力でパワフルなサウンドの代名詞
通称”スティングレイ”。
1970年代初頭、音楽シーンはよりロックやファンクの色が強くなり更にパワフルでノイズに強い構造が求められていました。
そこで1976年に誕生したのがミュージックマン社によるスティングレイベースです。
2バンドEQ搭載による世界初のアクティブベースであり(低域、高域のコントロールが手元のツマミで可能)、ハムバッカーピックアップとの相性は抜群で特にスラップサウンドは圧倒的です。
アンプに頼らずとも幅広い音作りが可能かつ、ローノイズな特性は多くのベーシスト達を魅力することとなります。
そしてこのミュージックマン社、設立したのはFender社を退社した後のレオ・フェンダーさんなんです。恐ろしい男ですね。。。
ハムバッキングピックアップとアクティブサーキットの音は唯一無二。
どんな過酷なアンサンブルでも確実に抜けてくるパワー、ゴリっとした中域、ジャリっとした高域が特徴的な音色です。
ハムバッカーピックアップがブリッジ寄りに一機なので、中域、高域を拾いやすく、結果音抜けに繋がっています。
今日紹介した3種類の中では最も暴れ馬で、ハマる時は最高なピーキーな性能をしていると思います。
逆に低域はうまくコントロールしないと腰高なアンサンブルになってしまうのでそこは注意が必要ですね。
ゴリゴリ個性的なサウンドを狙えるスティングレイ、最高です!
【代表的なプレイヤー】
フリー
ルイス・ジョンソン
ピノ・パラディーノ
トニー・レヴィンなど…
エレキベースの生みの親 レオ・フェンダー
今なお形を変えずに世界中で愛されているエレキベース。
代表的な3つのモデルをざっくりと紹介しましたが、そのどれもがレオ・フェンダーさんが開発に関わっているんですね。
誕生から約70年。
世界中で圧倒的なシェア率を誇るフェンダー社とレオさんの功績には頭が上がりません!
時代の流れと共に進化し続けてきたエレキベースの歴史のあらすじを紹介してみました。
次回はここから更にマニアックな部分をご紹介するかもしれません、、お楽しみに…!
文・舞野州

